それぞれの国には自慢すべき景勝地や歴史的建造物や世界遺産がある。そして私たちは外国に行って、それらを見学し、記憶にとどめ、その場所に行ったことに満足する。アメリカやカナダには人を圧倒する雄大な風景が広がり、自然界の素晴らしさに驚嘆する。目を南に転じると、中米や南米が広がり、経済発展のために掘られたパナマ運河が存在する。入口と出口はコロンとクリストバルという名前、クリストファー コロンブスに因んで付けられたのであろう。又先住民たちの繁栄の後もうかがい知ることが出来るペルーのクスコの街やマチュピチュの風景を見れば、もう一度ぜひ訪れたいと思う。45年の歳月がその歴史的遺産をどのように変えたのか、非常に知りたいという思いがあるが、私が再訪することは難しいかもしれない、いや今は、その当時そんなに有名でなかったウユニ塩湖の方が人を引き付けるのかもしれない。もっと南に下れば、悪魔ののど笛でよく知られたイグアスの滝、そしてもっと南には豪快に氷河が崩れ落ちるペリトモレノ瑚もある、いわゆるロス・グラシアレス。太平洋岸に目を転じると、エクアドルのガラパゴス諸島も私の行きたい場所の一つ。南米駐在の時に一度考えたが、首都キトー(Quito)から長時間の飛行で諦めた。欧州には世界遺産の40%以上が存在している。歴史が古いせいだろうか?それとも建造物の維持管理がすばらしいせいなのか。それともうがった見方をすれば、観光客集めのために低レベルの場所も世界遺産として認めてきた、あるいは審査人が欧州出身者か欧州贔屓なのかもしれない。ここで世界遺産の分布状況を見ると、ヨーロッパは43.3%、オーストラリア、ニュージランドのいわゆるオセアニアはわずか2.9%、アメリカ、カナダなどの北米は3.4%、パナマなどの中米は6.4%、ブラジル、アルゼンチンなどの南米は6.6%、アフリカ12.8%、イラク、イスラエルなどの中東は7.6%、アジア16.9%、そのうち日本は18件で、アジア170件の中では10.6%。欧州に偏在している。私は別に国粋主義者でもなんでもないが、なるほど他国の世界遺産や観光名所などは私たちの想像を超えて素晴らしいものがたくさん存在するが、考えれば考えるほど、それ以上に日本国にはまだまだ世界に、人々に、認識されていない場所が無数に存在する。そこに住んでいる人の気質、性格、穏やかさ、料理、おもてなし等の特性をも含めて考えると、今はまだアジアからの観光客が多いが、世界中から注目されているのも道理であり、不思議なことはない。何回かアメリカや欧州を訪れたこともあるが、フランス、イギリスより、そして世界のどの国よりも日本がその真なる価値を誇りにしていいと思う。何も欧州が移民であふれ、テロの脅威が大きいからそう言っているのではない。そのテロもいつ日本に押し寄せるかもしれない。日本にも新幹線、原子力発電所、空港、人がたくさん集まる繁華街や集会所が数多く存在する。その気になれば、テロの対象になるかもしれない。その対処法がいろいろ言われているが何とか世界中の人が協力し合う世界が実現できないだろうか。こんなことは笑い話のユートピアと言うのであれば、自分で自分の身を守る工夫をしなければいけない。それはたとえ非常に困難な道であるとしても。いよいよ年の瀬、師走を迎えました。保護者の皆様、この一年はどうだったでしょうか。諏訪森幼稚園、鳳幼稚園、美木多幼稚園の園児たちは皆様の心温まるお力添えのお蔭で、順調に、逞しくそして優しく育って参りました。来年の卒園、進級に向けてあとひと踏ん張りです。まだまだ大きな山もいっぱい残っています。しかしそれらを苦労して乗り越え、最後には大きな喜びの岸にたどり着くことでしょう。今年2015年、皆様から頂いた数々の励ましのお言葉を大きな糧として、これからも精一杯保育活動に取り組んで参ります。今年良かった保護者の皆様、前年に比較すればそうではなかったと思われている保護者の皆様、来年も、あるいは来年こそ、素晴らしい年になりますよう、そして皆様のお子さまが益々健やかで、元気で日々過ごすことが出来ますよう、心より願ってやみません。
本年に賜りました皆様方のご厚情に深く感謝申し上げ、平成27年最後の園便りと致します。