2025年7月1日 美木多 幼稚園

実行しよう世界人権宣言

ー7月のことばー

梅雨明けの夏空がまぶしい季節になりました。と同時に10年以上ぶりに地上に姿を現したはかない命のセミの合唱により、より一層暑苦しく感じます。季節は着実に真夏への道を歩み始めました。冬になれば夏を思い、夏になれば冬を思う、人間の優柔不断はほとんど困りものですが、思うことで現実から逃避できるのも又私たちに与えられた特権かもしれません。世の中はめまぐるしく動くようになってきました。甲を立てれば乙が立たない、反対すれば甲の大きな不利になっていく。世の中スパっと快刀乱麻のごとくに解決する方法は何も見当たらない。東京都議選を見ていると、年によって支持が変わる薄氷の勝利、アメリカのスイングステートではないけれども、日本も一種の支持が揺れ動く状態になってきた。今度の参院選挙はどうなることやら。何も決めることができない政治家に比べれば、案外選挙民の方がよほど賢明と思うことがある。過去の踏襲も大事だが、本当に国民の為になる政治が望まれている。そういう意味でも高齢者の選挙でなくて、若者が大いに参加する、若者が力を発揮し、若者が快適に生活し、その努力に報いられる選挙であってほしい。私自身ほとんど都会に出ていかないが、ある事情で週1回都会に出ていくようになった。びっくりしたことに通りはほとんど欧州やアジアの外国人によって占められている。久しぶりに歩いた心斎橋は昔も人が多く、混雑していたが、店が全く変わっていた。インバウンド向けの店が多く、靴メーカーのONITSUKAの販売店では通りを超えて並んでいた。そんなインバウンドも最近の円高で,日本で買うメリットが無くなったとかでデパートの売り上げが大幅に落ちたと報道されている。3,40年前の1ドル80円台の頃、円が海外で高く評価され、日本人が大挙してフランスやイギリスで高額の商品を買い求めたイメージと重なる。その日本人の出国数は今やかなり減っている。航空券だけでも100から200万円と言われれば躊躇するのもうなずける。若い日本人がよれよれのジーンズをはいて、格式の高い一流の宝飾店にズカズカト入り込んで、非難されたこともあったが、今や一部外国人が日本の中でも我が物顔で動き回っている。日本人がどう見ているかをも無視して、勿論中には謙虚で、日本のいい所を見たり、感じようとする人もおられるが、傍若無人に行動し、発言し、日本の立ち上げてきた制度を自分が有利になるように悪用したりする。一昔前に欧米で、日本人のことをマナー守らないと非難されていたことが、今や日本にそのつけが回っている。オーバーツーリズムを叫ぶ人、これ以上の入国を禁止するように主張する人がいる一方、まだまだインバウンドを奨励する人もいる。前には欧州で物乞いをし、犯罪に手を染める、誰からも嫌われているジプシー達がいた。今はどうか知らないが、その行動様式で、地元民と同じ顔をしているのに、忌み嫌われていた人々を思い出す。日本に集団でやってきて、一部の市域に住みつき、日本人との協調性を捨てて、彼らの風俗習慣、生活様式を押し通そうとする人たちがいると報道されている。概して日本人は外人に弱い。毅然とするところ、その姿勢を貫き、日本人の日本人であることを示すのも大事、そうでなければ、営々と今の日本人の骨格を作ってきた先祖の皆さんに申し訳ない。日本に住んでいると、何も感じない、問題視しないが昔初めて海外駐在する時に先輩から強く言われたことがあった。「海外の人と仲良くし、豊富な人脈を作ることを心がけるように。その為に政治から古典まで幅広い知識を身につけ、教養を高めていくように、但し、民族や宗教のことは非常に微妙な問題だから深入りしないように」ロシアとウクライナの関係は様々な関係が起因していそうだが、目に見える形でわかりやすいのが、イスラエルとアラブ、特にパレスチナはなぜあそこまで虫けらのように人が殺害され、飢えに苦しめられるのか。宗教の違いだけではなさそうだ。みんな仲間、差別しないで安心して暮らす。誰もが人権を持ち、法律は誰にも平等であり、裁判はいつでも公正である。個人の秘密は守られ、思想、信条、財産を持つことの自由は尊重される。そして何よりも人間らしく幸せな生活を送ると世界人権宣言で謳われている。しかし報道によれば、力のある国は弱い国を自由勝手に蹂躙している。衣食住が絶たれた生活とはどんなものだろうか。一部の人はそうでないと言うかもしれないが、自由な幸せな国、日本に住んでいる人には本当に理解の範疇を超えている。これは何も中東に限った話ではない。中南米でもアジア地域でも詳しく報道されていないだけかもしれない。しかしその根底には三大宗教のキリスト教、仏教、イスラム教の理念の対立があるとすれば、心の問題であるがゆえに、即効的な解決が難しい。世界共通言語のエスペラントが工夫され、世界は一つの理念が高らかに宣言されているが実を結ぶまでには途方もない時間が必要かもしれない。理念や宣言は別として、人が人を殺害する戦争、どんな言い訳があっても通用しない原理原則、今後、いつ全ての地球人が憎しみあい、領土を奪い合うことを止め、愛いっぱいの生活を送ることができるのだろうか。私達がもし何世紀後にこの地球上に蘇ったとしてもまだまだ人々は悩んでいるのだろうか、それとも地球自体が無くなっているかもしれない。次世代を担うこの幼子たちが、悲惨な戦争や争いによって本当に尊い命を失うことがないように願わずにはいられない。太平洋戦争で命を奪われた若い兵士の別れの辛い手紙を読むと涙が止まらない。さて、いよいよ一学期終了、夏休みと続きます。暑い夏、熱中症にならないように十分水分補給を心がけるとともに、水に親しむいい機会であり、水の魅力を堪能してほしい。それと同じくらい水の怖さもわかってほしい。お父さん、お母さんのいう事をよく聞いて、一人で行動せず又事故にあったり、病気になったりして、お父さん、お母さんを悲しませることのないようにしてください。8月25日には元気いっぱい幼稚園に帰ってきてください。先生方はみなさんが無事元気で帰ってくる事を心待ちにしています。しばしのお別れです。