2025年4月1日 美木多 幼稚園

ご入園、ご進級おめでとうございます。

ー4月のことばー

心よりお祝い申し上げます。さて、いつまでも寒さが続くと思っていた3月も、4月に近づくにつれて、一挙に夏日に変身です。可哀そうな名前をもらったボケの花も急に赤い色の花をつけ、桜の蕾も今か今かと花びらを爆発させる瞬間を待ち構えています。土の中でじっと忍耐強く待っていた草花も、惰眠を貪っていた動物たちも、活動再開です。私たち人間も、震えていた冬から暖かな春に接して、心や体が浮き浮きと鼓動し始めました。生きとし生けるもの全て歓喜の瞬間です。生きていて良かった、友達に会えて良かった。旅に出ることができて良かった。公園でボール蹴りしたり、かくれんぼしたりして一日中遊び疲れて良かった。私たちには見えない何か大きな存在が冬の厳しさ、夏の酷暑そして春や秋の穏やかな瞬間を、時には厳格に時には柔和の目で、私たちはその生きざまを試されているようです。この時期よく言われる諺に「養花1年、看花3日」があります。一年かけて一生懸命育てた花も見るのはたった3日、しかしこの3日の為に人は1年かけて一生懸命花の世話をする。換言すれば努力を惜しまない。そしてそれを誰も無駄とは言わない。この3日間の花でも、無情な強風によって1日しか花を見られないこともある。然しこの脆くて、儚く、すぐに散ってしまうからそれ故、より一層私たち日本人の心に訴えるものがある。そんな無常観やはかなさ、頼りなさを愛でる事によって日本人の細やかな心情が生まれ、それが現在にまで受け継がれてきた。若い人の中には今は昔と違うという人がいるが、根本的にその深淵には同じ血が脈々と流れている。私たちは仲間、そしてお互いが掛け替えのない宝物なのです。入園されてきた皆さん、入園おめでとうございます。皆さんがやって来て、私たちの仲間になるのを今か今かと待ち望んでいました。これからは在園時の皆さんとたのしく、元気に一緒に過ごしましょう。わからないこと、不安なことがあれば何でも聞いてください。寂しくて、泣きたいと思ったとき、先生は優しく皆さんを抱きかかえてくれます。一緒に遊びましょう。一緒に遠足に行きましょう。一緒に音楽や絵本を学びましょう。一緒に運動会に参加しましょう。劇の練習もしましょう。お友達をたくさん作りましょう。何もできない、何もわからないと言って悲しまないでください。誰もが始めはそうなんです。先生はいつもどんな時でも皆さんのことを目を細めて、優しく大事に見守っています。進級した皆さん、幼稚園では先輩です。いろいろなことを知っています。新しく入ってきたお友達にもいろいろ教えてあげましょう。保護者の皆様、大事なお子様の幼児期の保育・教育を私たちに任せていただき、本当にありがとうございます。「三つ子の魂百まで」、幼児期は人生の根幹を形づくる大事な大事な時期です。その事を十分認識したうえで、将来子どもたちが立派に成長して大人になっていくことができますよう、教職員一同力を合わせて取り組んでまいります。幼稚園では子どもたちは様々な経験を積み、いろいろな環境の中で体験を重ねます。又様々な教育活動を行うと同時に、人としての豊かな情操教育にも取り組んでまいります。又認知能力だけでなく、非認知能力の涵養にも努めてまいります。小学校との架け橋教育も今話題になっています。卒園式の時にはこの幼稚園に入園させて本当に良かったと言ってもらえるよう、教職員一同、身を引き締め、心を新たにして邁進してまいります。4月、卯月、入園進級の月、大きな夢と希望を乗せて、いざ、未知の国への出発です。

初代園長 宮下紀久子が好んだ島崎藤村の千曲川旅情の詩より

昨日またかくてありけり、今日もまたかくてありなむ、この命なにを齷齪、明日をのみわづらふ いくたびか栄枯の夢の 消え残る谷に下りて 河波のいざよふ見れば 砂まじり

水巻きかへる 嗚呼古城なにをか語り 岸の波なにをか答ふ 過し世を静かに思へ

百年もきのふのごとし  千曲川柳霞みて 春浅く水流れたり ただひとり岩をめぐりて

この岸に愁いを繋ぐ