2025年5月1日 美木多 幼稚園

アインシュタインの相対性理論

‐5月のことば‐

みどりの風が心地よい季節、晩春から初夏へ、一年のうちで最も華やかな季節の到来です。梅、桜、モクレン、ハナミズキ、ドウダンツツジ、様々な春を彩る花の季節も終え、今は新緑のみずみずしい、山笑うから山滴るの季節に移ってきました。4月入園、進級からはや一か月、最初の不安や恐れ、心配、孤独、寂しさの情感から、幼稚園に慣れ、他人との関りもそれなりに身をもって体験し、あきらめと前に進もうとする意欲が湧き上がってきた子どもたちです。そうは言っても子供の成長の度合いは千差万別です。これから本格的に始まる幼稚園独自のカリキュラムによって、子どもたちは一日一日と成長し、多くのものを身につけていきます。幼稚園は集団保育というものの、個性あふれる園児に配慮した指導も、担任やカウンセラーを中心にして進めてまいります。又体育の専門の先生によって、様々な運動領域の拡大が図られると同時に走る、歩く、跳ぶなどの基本を中心にして、いろいろな体操演技の充実を図っていきます。又今の子どもたちは種々多様な歌や音が耳に入り、私たちの時と比べるとリズム感や音感が本当に素晴らしいと思いますが、そんな子供たちに音楽の塩田先生を中心にして、各担任の先生は発声から合唱の指導を行うと同時に今まで触れたり、見たこともないような楽器に直接触れて、音への興味を高め、これから学ぶ音楽の世界への基礎作りを行います。絵画は舟井先生の指導の下、様々な色の画用紙の上に自分の見た風景や物語からイメージして、姿を具体化していきます。又多種多様な廃材を活用して、制作物に取組み、作品展への集大成につなげていきます。このように捨てられる材料がもう一度日の目を見るのは、子どもたちにも「勿体ない」という感覚が少しでも芽生えるのではと思います。又英語の先生は主にイギリスやオーストラリアのネイティブですが、英語を勉強するのではなくて、世界には様々な顔、目の色、髪の毛の色、言語の人がいることを悟り、少しでも幼い時に慣れてもらえればと思います。4月は慣らしの保育、いよいよ5月、幼稚園が目覚め、本格的な活動の開始です。子どもたちにはきっと幼稚園大好き、先生素敵と言ってもらえるよう担任の先生は勿論のこと、全教職員が心を合わせて頑張ってまいります。さて、4月関西万博がオープンしました。もう行かれましたか。世界ではいろいろな万博が開かれます。万博に関しては様々な意見がありますが、大阪で開催されるのは、私たち大阪に住んでいる人には近くて、とても魅力的です。個人的には円形のリングの上を歩いてみたいと思っていますが人が多く、長時間待たされるのは苦手なので、どうしたらいいのか迷っています。前回の万博の時は25歳、海外駐在の為に見ることができなかったので、今回は一度でいいからその雰囲気を味わってみたいと思っています。何の因果か私の子どもも今アメリカで研究生活を送っているためにこの万博を見ることができない。保護者の皆様も思いはいろいろあると考えますがお子さんにとっての次の万博を考えれば、一度思い出作りをしてもいいのではと思ったりします。それぞれの万博、どう向き合うべきか、思いをぶつけてみましょう。私の高校時代の国語の先生は特異であった。教科書はあるがそれを一切使わなかった。最初は夏目漱石の本ばかりで、一学期を終えた。二学期になると、アラビア太郎、山下太郎(アラビア石油の設立者)が対象であった。山下太郎の生涯、活躍、交渉力、様々な困難な問題の解決などについて学び、そこから君たちはどう考えるかという設問に発展していった。山下太郎は満州で莫大な財産を築くも、戦争ですべてを失い、69歳でアラビア石油を創業し、中東で「日の丸石油」を見事打ち立てた。受験勉強とは関係なく、人間力、人間としての生き方の国語教育であった。ある意味、生徒に考えさせる授業であった。一年生の現代国語であった。今こんな授業をすれば、校長は勿論のこと、保護者の皆さんからも大きなパッシングを受けるだろう。個人的には為になる授業であった。日本人の油田を掘った男、山下太郎の話は本当に痛快であった。因みにその国語の先生は私たちの同級生の中で一番美人の生徒と結婚した。同じ時期にもう一つ忘れがたい出来事があった。それは優しい新人の英語の先生が屋上から飛び降り自殺したことであった。最後の話し相手が私であったゆえに、胸が痛む出来事であった。最近読んだ雑誌や新聞から。「もう」か「やっと」か 物理的に同じはずの時の流れは置かれた状況次第で伸び縮みする。「ストーブに手を置く1分は1時間に感じる」「素敵な女の子と過ごす1時間は1分に感じる。」アインシュタインの相対性理論の説明だそうだが、本当だろうか。私には自信がない。

ゆっくり心臓が鼓動する象も早く脈打つネズミも心拍数換算ではどちらの心臓も約20億回で止まる。1日約10万回脈拍の人に当てはめると、人は約55年から60年、人は生物学的に長生きしすぎだろうか。素朴に思う。5月、皐月、May ,Mayo . 今月も楽しく、有意義に元気いっぱい過ごしましょう。