2025年2月1日 美木多 幼稚園

大気が澄み渡り、月や星が最も美しく見える如月

ー2月のことばー

一年で一番寒い2月がやってきました。
解けかけた氷が再び凍てつくような寒さの空気で凍り付く頃であり、大気が澄み渡り、月や星が最も美しく見える2月です。日本の四季は空、山、森、野原、田畑、花々等、大自然が大きな役割を担っています。そんな自然界の中で私たちは生かされている事に大きな感謝を持ちたいものです。「冬来たりなば春遠からじ」大学の共通テストが終わり、その結果を参考にしながら「思ったよりも良かったからもう一ランク上をねらおうか」「失敗したから、浪人は嫌だから、一段落とそうか」揺れ動く受験生が多い。「貴重な青年時代を誰でも入学できる制度に変えて、もっと楽にした方がよい」とか「いや青年時代の勉学や努力は将来の大きな成功の糧になるのだから、苦労するのはあたりまえ」様々な意見が交差する現実、「今苦労するのがいいのか、後で苦労する方がいいのか」と説得して、子どもに勉強へのドライブをかける親も多い。しかし日本人よりもアメリカ、欧州の人たちの方がもっと勉強し、努力しているのではと思う。その時にいくら睡眠を削っても、後になって思い出せば、案外楽しい思い出になっている。それと同時に自分一人の努力、精進だけで自分がうまくいったと思ってほしくない。その人には誰かが寄り添ってくれていた。人は一人では絶対生きていけない。一人ひとりの命は数多くの縁によって育まれてきた。そう考えると命を軽んじたり、無駄にすることは絶対にできない。日本の冬は寒い、寒いと言う。しかし最近シカゴから一時的に帰ってきた息子はシカゴでは-20度の日がよくあるという。雪がほとんど降らないが、川も凍り、寒さを通り越した寒さだそうだ。そんな厳寒の地に家族の一員として、ひよこ組と小学一年生の孫が行った。大学の医学研究員として働いている親の下で、どのような変化を遂げて日本に帰ってくるのだろうか。55年前にアルゼンチンで2年半を過ごしたことがオーバーラップして頭に浮かんでくる。突然の出来事であった。ブラジル出身、家族を連れてアメリカに移住したゴンカルべス、頭角を現し、今やアメリカ大手鉄鋼メーカーの経営者、その人が新年早々から日本製鉄のUSスティールの買収計画に関して吠えた。「中国は悪い。中国は悪だ。しかし日本の方がもっと悪い。我々はアメリカだ!日本!自分たちは何者なのかを理解していないことに気づけ。1945年の敗戦から何も学んでいない」年初から日本そして日本人を侮蔑するような発言、例え一企業家の言葉としても私たちは看過できない。世界は混沌としている。相手を罵った方が好ましいと考えているのだろうか。相手を強く非難し、強弁し、言葉でやり込める事によって、頼れる者のいない社会で人生を切り開いてきたのだろうか。本人も死ぬとは自覚していない一瞬のうちに何の罪もない10万人の民間人が虫けらのように殺害された原爆投下、それを乗り越え、恩讐の彼方でアメリカと歩調を合わせてきた日本、私たちはもっと主張すべきことも多い。日本人は幸せに生きるという事は周りを幸せにすることであるという考え方がしみついていて、そのために無私と忍耐を培う必要があると教えられてきた。幸せな人生を送る為には?と聞かれ、ある人は「正直に生きるという一点に尽きます」と答えた。「人をだましたり、うそをついたり、人生において、自分の利益しか考えられないような人は表情を見ればわかる。その人が歩いた生き方は顔に出るんです」と付け加えた。

今月は一年の掉尾を飾る、幼稚園にとって大きな行事、音楽・生活発表会があります。舞台で、又楽器を前にしての練習、練習の毎日です。子どもたちは年齢を超えた大きな成長を遂げていると思います。そんな努力の成果を保護者の皆様に披露します。二月、如月(きさらぎ)、寒い、しかし希望の月、今月も応援よろしくお願いします。