8月のお盆の時期になると、幼稚園をいつも支えてくださった人々のことを思い出す。その人が物故者であっても、生存中の人であっても。美木多幼稚園40年、最初先生は3人であった。その3人の先生一人は熊本、二人は南区在住、元気でおられるのが本当にうれしい。今まで250人あまりの先生に支えられてきた美木多幼稚園、誰も亡くなったという報告は受けていない。社会の様々な分野で又は家庭の中でこの世に生まれてきたことの大きな責任を果たしている。残念ながら、安全、安心送迎に尽力を尽くしていただいた運転手の中には鬼籍に入った人も。40年ほど前に最初に私たちの仲間になったAさんは観光バス出身の運転手、2年後には友達のBさんも仲間に入った。AさんもBさんも観光バスの経験を活かして、本当に誰からも信頼され、好かれた運転を心がけていただいた。5年後にはCさんも路線バスの運転手から私たちの仲間に入っていただいた。アームをあげたフォークリフトと軽い接触事故があったが、それ以外は毎日定時運行、何年か後には姪御さんも私たちの仲間に加わった。沢山の先生や職員の姿が走馬燈のように私の頭の中を駆け巡っている。私の母親の初代園長は、本人にはその意識がなかったが、創立期の苦労を一身に背負って頑張った。長年の小学校の経験を生かし、目に触れるもの、身近なもの全てが教材であった。野の花を摘み、生け花として園内に飾り、川や田んぼで生き物を捕っては園児に見せて興味付けをし、好奇心を刺激した。父である初代理事長は田舎育ちの地方公務員であったが、何事にもあまり逆らうことはせず、黙々と仕事をこなした好人物であった。いろいろな人に支えられての40年、私には全てが貴重な勉強であった。諏訪森幼稚園は80有余年の歴史、様々な先生が創立以来大活躍して、今に引き継がれてきた。私がバトンを受け継いで8年、その時の先生は、意見が異なったり、方針が違ったりして、今はもう誰もいない。しかし時々いただく便りによれば、同じ分野で大活躍しているとのこと、働く場所が異なっても、幼児教育に架ける情熱は何ら変わることはない。ますますの健康と活躍を祈るばかりだ。5年目の鳳幼稚園も仲良し先生の集団だ。家から遠いという理由で八尾市の幼稚園に行ったDさんも、そこの園長先生から良い先生を紹介していただいたとお礼の電話があった。今の先生方には先人たちの熱い教えや体験を踏まえ、今いる目の前の子どもたちにその大きな遺産を引き継いでいってもらいたい。8月初め、関空からロスに行った。夕食を食べて、映画を一、二本見ていると到着した。アメリカ西海岸は本当に近く感じた。ロスは砂漠の町、というより、何百キロ先から水を供給されて生きている大都会、トランプ大統領のことをよく言わない人が多いのにびっくりする。通過点のラスベガスはロス以上に砂漠の中に忽然と現れる大都市、ホテルは勿論、飛行場までスロットルマシンが沢山あって、さすがギャンブルの町、しかし生き抜くために、エンタテイメントにこだわり、人を喜ばすために精一杯努力している町という印象は大きかった。カジノに行くためにここに来たわけではなかった。グランドキャニオンに行くための15人乗りの小さなプロペラ機から見た光景は何万年もの間に削り取られた奇岩より、それらの岩の一番下を蛇行して流れているコロラド川が気になった。スペイン語のコロラド(カラード、色のついた)は本当に川の色を表しているのだろうか。次回もし来ることがあったなら、是非観光ヘリコプターでもっと近くに行きたいと思った。昔々絵本で見た幹の中を車が通る程大きな木がある(今は折れて禁止しているそうだが)ヨセミテ公園、あちこちに山火事のあとがある。山火事は自然の摂理に任せていて、消さないそうだ。この公園は緑一杯で、やはり大きな岩が有名だそうだが、(アメリカの有名なスポーツメーカーのマークになっているとのこと)交通渋滞が激しい。総じてアメリカの国立公園は大味の感じである。サンフランシスコでお世話になった日系人(若いときに日本からやってきた)のガイドはお金の話を頻繁にしたのが気になった。シスコでは年収1000万円(10万ドル弱)では下層だそうだ。IT長者が多いシリコンバレー近くのシスコは家賃を含め、全て割高だそうだ。何人かの日系人はおしなべて「自己責任」と言うことを口にした。何事をするにもほぼ自由だが、それに伴う責任は自分でとらなければいけない。その為に自己主張をし、自分を売り込むことも必要なのだろう。日本は何かあれば、国や市町村が助けてくれることが多い。資本主義のアメリカと比べれば、みんな助け合いのいわば社会主義国家であるのかもしれない。自己責任が良いのか、それとも多少自由が犠牲になったとしても庇護を求めるのが良いのか。若い人は前者で、高齢者は後者という人もいる。トランプ大統領賛成、トランプ大統領反対の世論が揺れ動くアメリカ、誰が大統領になってもその偉大さは変わりようがない。すでに2学期が始まっています。9月は入園説明会、10月は園児募集があります。少しでも私たちの仲間が増えてほしい。その願いは切実です。私たちは子どもたちの現状と未来を考え、精一杯努力して参ります。入園させてよかったと心より言ってもらえる保育を目指して頑張ります。よろしくお願い申し上げます。