10月 2014

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01 10月 2014

37年目の秋
ー10月のことばー

  朝の冷気が肌に心地よい。秋の気配が充満しているのだろう。その中にかすかに秋の匂いが漂っている。草花や樹木の匂い、生きとし生けるものの匂い、季節は四季それぞれの独特の匂いで私たちに迫ってくる。自殺すると木にされると言う西欧の諺、移動できないもどかしさの中で、匂いで自己主張しているのかもしれない。大阪を俯瞰している金剛、葛城、岩湧の連山、その稜線が一段とはっきりしてきた。PM2.5や黄砂に汚された空気が精気を取り戻し、その透明感で様々な景色を変えている。神が大挙して出雲を訪れている今、10月、神無月、私たちは一年の一番いい時期に浸る幸せをかみしめたい。そして今年は美木多幼稚園にとって37回目のOctober、開園式の時は32歳であった。行政、学校関係、地域の人々、様々な人に祝福していただいた。司会の任に就いた。それまでビジネスの世界にいたせいか、匹夫の勇のせいか、怖れるものはなかった。心は比較的落ち着いていた。創立に伴う多額の負債があったが、楽天的な南米で何年か過ごしたせいか、「どうにかなる」という気持ちが強かった。もっとも綿密な計画を立てていたが。それよりも「どうしたら園児や保護者の皆様に喜んでもらえるか。どうしたら子供のためになるか。その成長を助けることができるか。」という事が大きな要素を占めていた。当初は1クラス40人が定員であった(現在は35人)。先生も少なかった。しかし一人が二人近くの仕事をこなした。どの教職員も同じ方向を向いて力を合わせて取り組んだ。幼稚園は活気にあふれ、次から次へと斬新なアイデアを教育活動に導入した。どの幼稚園と比較されてもその内容や活動は決して見劣りしないという自負があった。先生も大変だった。しかし意気に燃え、労苦はいとわなかった。やり方がスマートでなかった。それどころか泥臭かった。それが自然と共生し、自然の懐の中に抱かれて生きる美木多幼稚園の姿であった。あれから37年、共に創立に加わった内の園長と理事長がこの世を去った。人の世の習いとはいえ、永遠の別れは寂しい。その教育活動は時の流れとともに少しは変化したというものの、大筋では何ら変化なく、脈々と私たちの中に引き継がれている。まだまだ伝統と言えないまでも、変わることのない大きな心柱となって私たちの教育活動の根源になっている。これからも困ったとき、悩んだとき、その心柱に問うてみたい。 10月1日は願書提出の日となっています。美木多幼稚園はこれからも教育活動を益々公開してまいります。しかし保護者の皆様やご紹介された皆様には決して後悔していただくことのない活動です。幼児教育は人間成長の根幹であり、これから始まる小、中、高の教育を左右すると言われています。ただ可愛いだけでなく、そこに何かをプラスする活動を目指して、教職員一同心を一つにして取り組んでまいります。今後ともこれまで同様、ご支援、お力添え賜ります様心よりお願い申し上げます。