2012年4月


 美木多幼稚園に35回目の春がやってきました。肩に担いで運んで手植した、道に面した桜の木も、今は大きく成長して花一杯、それに呼応するかのように全ての植物は精一杯のお化粧直し、春爛漫、暑くもなく寒くもなく最高のシーズンを迎えました。「ようこそ美木多幼稚園へ、ようこそ私たちの仲間へ」皆さんの来るのを今か今かと心待ちにしていました。美木多幼稚園へのご入園心よりお喜び申し上げます。生まれて1000日前後の子ども達、ここに到るまで子育てに大変ご苦労された事とご察し申し上げます。とくに近年、経済情勢、社会情勢の変化と共に一部核家族化の減少や崩壊、大家族化への回帰が見られるというものの、基本的な基調は長年一緒に歩んできた親からの独立化。それは独り立ちの大きな喜び、子育ての楽しみと共に大きな責任と義務が生まれ、その対処に大きな悩みやご苦労を持たれてきた事とご推察致します。しかしこれからは私たちと手を携えて子どもたちの発達成長に関わって行きましょう。ご家族、幼稚園、行政が一体となって大きな力を発揮して行きましょう。世の中はまだまだ見捨てたものではありません。アメリカナイズされた経済や金融、熾烈な競争社会、お金に対する執着心等によって人間関係はますます冷たく、希薄なものになってきた面も一部見られるかも知れませんが、まだまだ暖かい心の持ち主が一杯です。「ありがとう」の感謝の気持ちを持ち続けている人であふれています。卑劣にも他人に騙され、苦い思いをした人もいるでしょう。それでもなお善意を信じている人がそこにいるのです。なるほど人は全力で努力することが求められます。しかしそれが萎えたからと言って存在を否定されるものではありません。困った事があれば助け合う事が出来るのです。努力し、前向きに生きようとしている人を誰が見捨てるでしょうか。子ども達にとって美木多幼稚園は初めての大きな集団です。子ども達なりに大きな試練となりますが、早いおそいの差こそあれ、その集団に慣れ、反対にそこに所属する事によって大きな力を発揮していくものと思います。どうぞ大きな気持ちで見守って頂きたいと思います。
進級児の皆さん、年少、年中、年長への進級おめでとうございます。皆さんは私たちの仲間になって1年、2年又は3年たちました。美木多幼稚園で過ごした年月や経験は大きな自信となってこれからの活動に役立つことでしょう。今から始まる1年、今まで以上に大きな成長を遂げて、大活躍して欲しいと思います。美木多幼稚園の先生はいつも皆さんの近くにいて、一緒に行動し、見守っています。時にはけんかもするけれどもすぐに仲直りする優しい思いやりのある皆さん、この1年が健康でありすばらしい年になりますよう心より願っています。幼児期の大事な事はいくら言っても言いすぎる事はありません。幼児期を美木多幼稚園で過ごした皆さんは小、中、高、大と進んでいくにつれてきっと大きな力を発揮します。皆さん方の先輩の卒園児の皆さんも今や社会や学校で獅子奮迅の大活躍です。私たち教職員も子どもたちが将来立派に成長を遂げ、何らかの形で社会に貢献できますように、日々の保育活動に一層努力して取り組んでまいります。最後になりましたが、この1年、暖かいご支援、お力添え、よろしくお願い申し上げます。